今更…
いつもと同じように待ち合わせ、そしていつもと同じホテルへ。
抱き合い、映画を観ながらたわいのない会話で笑う。
一緒に熱めの湯に浸かってリラックスする。
…そろそろ時間だね
名残惜しいけどしょうがない…
帰り道にコンビニでコーヒーを買い、車の中で暫く話し込む。
「今日も楽しかった」
彼女に今日1日の感謝の気持ちを込めて伝えようとした時だった。
うさぎ から突然の告白…
まさしく晴天の霹靂。
彼女が“ある事”を決めたと、思い詰めた表情で僕に言う。
気付かぬうちに彼女を傷つけるようなことをしてしまったのか?
そう思い、その日の出来事を事細かに思い出してみるが心当たりがない。
彼女にも特別な変化があったようには感じられない。
いつもの笑顔
いつもの口調
いつものカラダ
そしてセックスでの彼女の反応もいつも通りだった。
僕は恐る恐る「なに?」と聞くが、それでも平静を装うのが精一杯だ。
「うー…んとね…」
「やっぱり今日はやめておく…」
「次に会った時に話すよ」
「本当は今日、君に会ったら言うつもりだったんだ…」
鼓動が早くなる。
心臓を吐き出してしまいそうだ…
意を決して再び「なんだよ、気になるよ」と聞き返すと、重い口を開いた。
「うん、そうだよね…」
「あのね…」
ついに彼女が話し始める。
僕の背中を冷たい汗が流れていった。
「これからキミのことを○○(僕の名前)くんって呼ぶね♫」
なんだそりゃ
今更?
笑っちゃったよ
でも…
正直、なんだか嬉しかったよ 笑